創業初期のスタートアップは「余命1年でも一緒に働きたい」という人しか採用してはならない
前回のまとめ記事の続編です。
今回もこちらの記事『スタートアップのはじめかた: アイデア・プロダクト・チーム・実行 Part Ⅱ』から、特に重要だと思った点をまとめてみました。
スタートアップのチームビルディングや採用に興味ある方には参考になると思います。
タイトルにもつけましたが、今回の記事の中で特に印象的だったのがAirbnbを例にとった以下の内容です。
面接の際に聞かれた質問の中で有名なのは、「今、余命一年を宣告されたとして、それでもAirbnbで働きたいか?」というものでした。ブライアンは後に自分が少し狂っていたと認めました。今では余命が10年ならどうかという質問をしているそうです。
スタートアップが短期間で急成長を成し遂げるために必要なのは、不確定な未来を信じてどれだけ猛烈に働けるか。それだけ、採用基準は極限まで高くするべきという事ですね。
僕が働いているホットスタートアップという会社では、平日の夜や休日に開発に協力してくれるお手伝いメンバーの方々がいるのですが、実際に一緒に働いてみて初めて分かることが沢山あります。
そういう意味で実際に本採用の前に候補者と一緒に働いてみるといいという内容は非常に共感できましたし、採用候補者の募集、スクリーニングという観点でも効果的だと思います。
成功するために重要なポイント
チーム
共同創業者の選び方
- なんとしても共同創業者を持つべき。Yコンビネーターで上位20%の優良企業は、2人以上の共同創業者で立ち上げられている
- ただし気軽に手っ取り早く共同創業者を選ぶのは絶対にやめるべき。いまいちな共同創業者を持つくらいならいない方がまし。
- 共同創業者同士の関係は最も重要。共同創業者との間に流れる空気に違和感がある時はすぐに解決しておくべき。
- 共同創業者選びで一番よい場所は大学。次にイケてる会社。例えばFacebookやGoogleのような
- 共同創業者の資質は「しつこく、したたか」でタフであること。
- 共同創業者の理想像は一つのことだけに長けている専門家ではなく全てにおいて長けている人物。
- できるだけ数年の親交を深め互いをよく知った人が理想
- 自分が技術者でないなら、共同創業者は間違いなく技術者であるべき
- 2人〜3人の共同創業者を持つスタートアップが一番期待できる
採用
- 創業期での採用ミスは致命的で、そのコストを取り返すことは不可能
- スタートアップにおいてたくさん社員がいる事でいいことはひとつもない
- 特に創業期は、少ない人数で事業を回せるならそれに越したことはない(なるべく最小限を維持すべき)
- 優れたチームを作るには創業者と同じくらい企業に入れ込める社員(企業が傾いた時はともにオフィスで寝泊まりして危機回避できるまで毎日プロダクトの改善に務めるくらいのことができる人)を入れる
- 採用するための基準を極限まで高く設ける(Airbnbの面接で有名な質問として「余命1年と宣告されたとして、それでもうちで働きたいか?」)
- 社員を採用する必要性にかられるぎりぎりのところまで、採用のことは一切考えない
- ただし一度社員を採用してチームを大きくする過程に入ったら、ベストな人材をとることをタスクの最優先事項に設定するべき
- 採用活動で妥協してそこそこ出来る程度の人を雇うとその後ずっと後悔することになる
- 採用候補者は自分たちの知り合いから探すのが一番いい
- 採用候補者の経験は大した問題じゃない。才能、企業理念に理解があるかどうかが大事。
- 採用活動は3つのの条件を設けて望むべき「候補者が賢いどうか」「やることはやる奴か」「ずっと長く一緒の時間を過ごして行きたいかどうか」
- 一番いいのは本採用の前に1日か2日一緒に働くこと。これができれば面接など必要ない。
- 紹介者や、過去に一緒に働いたことがある人に候補者のことを詳しく聞いておくべき「候補者が取り組んだプロジェクトについて」「今なぜまた雇おうとしないのか」「候補者をまた雇いたいか」etc
- 迷った時は、なるべくコミュニケーションスキルが高い人を優先してとるべき(仕事をうまく進めるために)
- また、リスクをとることを厭わない性格の人をすすんで採用するべき
- ファッションでスタートアップをやろうと思っている人は採用すべきでない
株
- 株式分割については早く話し合っておくべき(創業したなら数週間のうちに取り決めておくべき)
- 目安として、最初の10人にはおよそ10%ほどの株式を渡しておくのがいい
- 投資家に対して株を喜んで手放すくせに社員に対して一つも渡そうとしない態度はよくない。全く反対であるべき
- 創業者の仕事は社員がみな企業に貢献できているという認識を持っていてそれに幸せを感じていられるようにすること(これは株式付与と強い密接がある)
マネジメント
- 初めてのスタートアップに挑戦する時は、自分のマネジメントスキルのなさを自覚して特に注意しながらコミュニケーションをしていくべき
- チームが達成した成果をすべてチームのおかげだと褒め称え、全ての失敗を自分の責任にすること
- 社員のやることに対して細かいところまでいちいち口を出す必要はない。小さなものでいいので継続的に仕事を任していくべき
解雇
- 仕事ができない人には早く会社を去ってもらうべき(社内に政治を持ち込む人、ずっとネガティブな雰囲気を出す人も)
- こういう人の存在はスタートアップでは死因になる
- ただ、解雇するのは失敗を何度も繰り返している社員だけにとどめる
- 一度や二度の失敗には寛容に
実行
- 社員が一生懸命働く文化を企業の中に作りたいなら、自分が態度を示していくべき
- もくもくと仕事を終わらせるマシーンの様に働き、その背中を社員に見せ続ける必要がある
- 毎日何か達成できる目標をもって過ごすことが重要
- 優れた創業者は、社員全員と共有した包括的なゴールを設定している「ある期日までに次のビルドを完成させること」etc
- 創業者の仕事のひとつは、目標を何度も何度も社員に一対一で説明し、壁に貼り付け、毎週のミーティングでも繰り返す事
- 会社の目標で見失ってはいけないのは「成長率」と「勢い」。これを維持し続けていくことは一番の目標にするべき
- 成長率を指標にして常に管理し、毎週レビューをするべき。この指標を無視して言い訳をするようになったら終わり
- リモートワークは苦労が多い。共同創業者は同じ場所で仕事をするべき
- 本当に猛烈なレベルで動いているスタートアップだけがうまくいく
- 毎日少しだけ余分に働くことが、競合に対して最終的に大きな差を生む
- 猛烈な雰囲気をつくるのはCEOの仕事。この姿勢をみんなに見せつけられるのは創業者しかいない
- 「とにかく早く実行する」「質を向上する」どちらか片方ではなくこの2つを同時に行うことが求められる
- 目の前の大きな課題を小さなタスクに分割して、一つ一つを猛烈な早さで改善していく
- 優れた起業家はメールの返事がとても早い。つまり決断が早い
- チームに勢いがないときは、まず小さくてもいいから達成できる何かを探しなんとしても達成する。そうすれば他の様々な問題が立ち消えていく
- 社内で意見が衝突したら「ユーザーの意見を聞く」というルールを設定しておく
今回の記事も非常に勉強になりました。 (元記事『スタートアップのはじめかた: アイデア・プロダクト・チーム・実行 Part Ⅱ』)