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株式会社ペライチでCTOをやっています。

スタートアップをやるために重要な気質「楽観主義」を獲得する方法

誰もチャレンジしようと思わない途方もなく大きな事に着手すること、何度否定されても自分を信じ続けられる事。スタートアップに限らず、大きな事を成すには「楽観主義」という資質が重要になると思います。

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今回のエントリでは『脳科学は人格を変えられるか?』という本を読んで学んだ楽観主義の特徴と、その気質を獲得するために必要な事についてできる限り具体的に書いてみようと思います。

※長いので、時間がない人は下の方の「楽観主義を獲得する方法」のとこだけ読めばいいと思います。


脳科学は人格を変えられるか?

楽観主義は未来に真の希望を抱くこと

楽観的な気質とはいわば、未来に真の希望を抱くことだ。それは「ものごとはかならず打開できる」という信念であり、「どんなことがあってもかならず対処できる」という揺るがぬ思いだ。単なる脳天気とはまるでちがう。

楽観主義者というのは、ただ楽天的に物事を前向きに捉えている人というわけではなく、どんなことがあってもかならず対処できると信じている人のことです。

彼らは打たれ強く、いいことも悪いことも受け入れ、何事に対しても「自分で状況をコントロールできる」と意識の底で信じています。いわば根拠のない自信を強く持っているといえます。

困難に直面したときに動じず、打開できると信じる姿勢はスタートアップをやるにはとても重要な気質だと思います。

楽観的とポジティブとの違いについて

一般的に「楽観的」と「ポジティブ」には少し言葉のニュアンスの違いがあるようです。

ポジティブ:積極的に問題解決しようとする前向きな姿勢・態度
楽観的:なんとかなるさという深刻にならない考え方

当記事中では、「楽観主義」という言葉を両方の意味を含んで使っています。

楽観主義であることの利点

楽観的になると、さまざまな利点があります。

常に幸福指数が高くなる

「楽観が幸福につながるのは、そうした志向によって、人が人生に積極的に取り組むようになるからだ。悲観主義者がもっていない魔法のハッピー・ジュースを楽観主義者が手にしているからではない」。

楽観主義者はそうでない人に比べて幸福感を得やすいという特徴があります。それは仕事や対人関係において、より積極的に取り組むからです。目の前のことに夢中になって取り組むことは、その行為自体が幸福感につながり、そうでない場合に比べて得るものも多いという事です。

仕事においてもフロー状態に入りやすいため捗るはず。

あきらめが悪くなる

楽観的な思考と、行動を志向する性質とが結びついてこそ、楽観はさまざまな利益をもたらす。真の楽観主義者は困難に直面しても簡単にはあきらめず、倍の努力をしてでも問題を克服する道を見つけ出そうとするのだ。

諦めないことは成功するまで努力し続けるという、スタートアップにとって非常に重要な気質です。

アイディアが沢山出てくる

ポジティブな人はネガティブな人に比べてブレストが得意です。

ある実験で、楽しい映画を観たグループと、恐怖映画を観たグループそれぞれに「30分自由な時間があれば何がしたいか」という問いの答えを書き出してもらうと、楽しい映画のグループの方がずっと多くのアイディアを思いついたそうです。

これは、資質というよりもその瞬間の気分がポジティブかどうかが重要だと考えられますが、どんな場面でもポンポンアイデアをだせるような人は、楽観主義者だと考えられます。

気にしなくなる

不確定な未来に思いを巡らせてネガティブに悩む非生産的な時間がなくなり、常に行動する事ができるようになります。

運がよくなる

これは僕の主観です。運がいい人ってポジティブな人が多くないですか?単純に目の前の物事をどう捉えるかという以上にそう感じます。逆に、運がいい人でネガティブな人ってあまり見かけない気がします。

楽観主義を獲得する方法

楽観主義者はどのようにして形成されるか

それぞれの人格は、脳の奥にあるこうした回路の微妙な変化とともに形作られていく。危機に出会ったときに勇気を奮い起こし、それまで以上に強くなってどん底から這い上がれるか、あるいは挫折感に打ちのめされ、ネガティブなほうへと果てしなく思いをめぐらすようになるかは、それぞれの脳の中でサニーブレインとレイニーブレインのどちらが優勢かに左右される。

楽観主義を形成するのは、遺伝と経験です。後天的に楽観主義的気質を得るためには、ポジティブに感じる体験をたくさんし、日頃から楽観主義者と同じようにふるまう事が重要だと考えられます。

具体的に何をすればいいのか?

これらの楽観主義的の特徴をもとに、楽観主義の気質を手に入れるためにどのようなふるまいを心がければいいかを書き出してみました。

諦めの悪い人間になる

例えば電車にギリギリ間に合わなそうな時、最後まで諦めず走ってみる。あれこれ考えずとりあえず信じてみる事が大事です。

他人の挑戦する姿を滑稽だと思うのをやめる

楽観主義は、一見不可能な事に対して真剣に挑戦できる気質です。

誰かがなにかに真剣に取り組んでいる姿を見ても、そんな事に時間を使うのはムダだと感じたり、滑稽だと感じるのはやめましょう。たとえそれが一見意味がなさそうな事や不可能にみえるような事だとしても、真剣に見守ってそっといいねボタンをおしてあげましょう。

人が集まる場所に積極的に参加し、その場を全力で楽しむ

快楽の経験は、サニーブレインの回路を強める源になる。そして楽観的な心の傾向を育むという、大きなメリットがもたらされる

人が集まる場所に積極的に参加しその場を楽しむ経験を積み重ねる事で心の傾向が楽観主義に寄っていきます。

逆に悲観主義の人は、楽観主義者にくらべて快楽の持続力が弱い傾向にあります。例えばパーティーに参加しても、いま抱えているタスクや心配事を考えてしまい「あー帰ったらこれやらないと」と考えてしまう傾向があるようです。これは感情を抑制する前頭前野の活動が活発になりやすい事が原因です。楽観主義的気質を育むには飲み会でもなんでも、人と積極的に会話し、楽しみ、感情を解放する事が重要です。

ネガティブな事に触れない、念じない、発さない

ネガティブな思考は連鎖します。嫌な事を考えると、いま抱えている他の悩みや、過去の嫌な事などが連鎖的に思い浮かんでしまいます。日頃から生活や仕事の中でのネガティブを排除していく事が大事です。

これは環境にも言えることで、ネガティブな事を発する友人関係やコミュニティとは極力関わらない方にし、その逆の人たちと一緒にいる時間を増やし、コミュニケーションする時に相手のいいところを積極的に見つけ、褒めるようにしましょう。

全ての事に当事者意識を持つ

楽観主義者は、自分にコントロールできる(と思っている)事の範囲が広いです。言い換えると、あらゆる物事に対して当事者意識が高いのだといえます。

そのためには、目の前の出来事に対して「自分だったらどうするか?」という視点を持つ癖をつける事が大事だと思います。逆に自分には関係ないと思った瞬間に、それは自分の力では変えられないものになってしまいます。

楽観主義者を目指すなら、目の前の事に積極的に関わる姿勢を持ち、コントロールできると思い込む事が大事なのではないでしょうか。

心に予防線を張るのをやめる

不確定な未来に対して最悪の状況を想定してしまう癖をやめましょう。

「どうせ◯◯だ」「きっとうまくいかない」と思う事が潜在意識に影響を与え、ネガティブマインドに寄ってしまいます。

さらに心に予防線を引く人はあえて成功から遠ざかる行動をとる傾向にあります。試験前に部屋の掃除したくなるなどがその典型例ですが、失敗した時に自分の力量による内的原因ではなく外的原因だと思う事ができるからです。それを解決する方法はひとつ。とにかく目の前のやるべき事に集中する事です。

以上、楽観主義的気質を得るためにやった方がいいことを書いてみました。スタートアップ経営者にとっては特に重要な気質ではないでしょうか。個人的にもまだまだ足りてないと思うので頑張ろうと思います。

出典:脳科学は人格を変えられるか?