背筋を伸ばしてスタートアップするブログ

株式会社ペライチでCTOをやっています。

1on1で参考になった6冊の書籍を紹介します

みなさん1on1やっていますか?1on1はマネージャーにとって重要な取り組みだと考えており、私はふだん以下の目的を持って行っています。

  • メンバーとの信頼関係づくり、心理的安全性の担保
  • 長期的なキャリアイメージの明確化
  • フィードバックを通じた目標と現状の差分確認、成長促進
  • 大局的なビジョンや長期的な視点での会社の方向性の浸透

私が1on1をやり始めたのはちょうど2年ほど前で、その頃は会社にエンジニアメンバーが10人を超えたくらいでした。当時は上記のような目的意識は明確ではなく、メンバー個々人とのコミュニケーションを意識しないとれなくなってきたことになんとなく問題意識を感じ始めたのが1on1を導入したきっかけでした

振り返ると誰かから教えてもらうわけでもなく手探りでいろんな記事や書籍を読んで学んできたように思います。

というわけで、今回は1on1のやり方を学ぶ上で参考にした書籍を紹介したいと思います。

ヤフーの1on1―部下を成長させるコミュニケーションの技法

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

タイトル通りまるまる1冊1on1がテーマの本。他の書籍と異なる点としては1on1の目的が相手の心理的安全性を保つだけでなく「経験学習を促進させる」という成長にフォーカスされている点です。

1on1ってこういう感じでやるのか〜というイメージを持つ上でも1冊目としておすすめです。

フィードバック入門

たしかYahooの1on1の中でも紹介されてた書籍だったと思います。

言いにくいことをいかに伝えるか、そして最終的にどうやって相手に納得して行動を変えてもらうかなど具体的なやり方が述べられている。

(部下にとって耳の痛い)フィードバックする際の流れとしては、SBI情報(シチュエーション=状況、ビヘイビア=行動、インパクト=結果)を事実ベースでしっかりと伝えること。そして問題行動を部下に腹落とし(understood)してもらい、現状と理想のギャップを認識してもらいます。最後に原因探求と行動計画づくりを部下が一緒になって行います。

こうした一連の流れを感情的にならずに行う上で必要なメンタリティの保ち方についてまで言及されてあり、とても勉強になりました。

あと個人的には具体的なフィードバックのシチュエーション別の事例集が参考になりました。

HARD THINGS

HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか

HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか

著者のベン・ホロウィッツは「アンドリーセン・ホロウィッツ」というシリコンバレーの著名VCを立ち上げた投資家であり、それ以前はベンチャー起業家として会社を上場させた経歴を持ちます。

一見1on1とは関係なさそうな本ですが、著者は1on1をとても重要視しており、組織の悪い兆候を察知したり情報を透明化する上で1on1はマネージャーの義務であると述べています。

特に以下の具体的な質問リストはとても参考になりました。

- われわれがやり方を改善するとしたらどんな点をどうすればよいと思う?
- われわれのその上で指揮で最大の問題は何だと思う?またその理由は?
- この職場で働く上で一番不愉快な点は?
- この会社で一番頑張って貢献しているのは誰だと思う?誰を一番尊敬する?
- きみが私だとしたら、どんな改革をしたい?
- われわれの製品で一番気に入らない点は?
- われわれがチャンスを逃しているとしたら、それはどんな点だろう?
- われわれが本来やっていなければならないのに、やっていないのはどんなことだろう?
- この会社で働くのは楽しい?

本書の内容としては著者が経験したベンチャー経営におけるリアルなHARD THINGSの失敗経験が述べられています。1on1関係なく特にスタートアップで働く人にはぜひ読んでほしい本です。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

1980年代に書かれた本で、2017年に復刻され再出版されました。著者はインテル元CEOのアンディ・グローブです。

上記HARD THINGSの著書ベン・ホロウィッツが「世界最高の経営書だ」と評するほどの本で、いろんな経営者、マネージャーに読みつがれています。

マネージャーの仕事は部下や影響下の組織体のアウトプットを最大化することであるという考え方のHOWが詰まった本です。そのための方法の1つとして本書でも1on1の重要性が説かれています。

コミュニケーションが遅れると意思決定の遅れにつながり、そして意思決定が遅れると事業の進捗を遅らせたり、トラブルの兆候を見逃す原因になります。それを防ぐのが1on1であるとして、どのように進めたらいいかについて具体的に書かれています。

個人的には1on1以外にも考え方として参考になる部分が多くマネージャー全員におすすめしたい本です。

エンジニアリング組織論への招待

第二章でメンタリングについて取り上げられています。目次としてはこんな感じ。

  • Chapter 2 メンタリングの技術
    • 2-1 メンタリングで相手の思考をリファクタリング
    • 2-2 傾聴・可視化・リフレーミング
    • 2-3 心理的安全性の作り方
    • 2-4 内心でなく行動に注目する

本書でのメンタリングの定義としては以下になります。

対話を通じてメンタリングする人の思考力を一時的に貸し出し、思考の幅を広げていくことで、その人の歪んだ認知を補正し、次の行動を促し成長させていく手法

「相手の思考をリファクタリング」という考え方で対話する手法について説明されています。チームメンバーとして心理的安全性を担保しつつ最大のパフォーマンスを出してもらうために、相手に適切な思考を促す理論と方法論が具体的に書かれています。

この本の特徴としてはとても理論的なことです。悪くいうとアカデミックなとっつきづらさがありますが、丁寧に読めば納得感を持って理解しながら読

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド

  • 作者: Camille Fournier,及川卓也(まえがき),武舎広幸,武舎るみ
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2018/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (1件) を見る

エンジニアの管理職のための本です。

階層別に(テックリード、技術部長、CTO、経営層)部下のマネジメントの仕方や話すべき内容についての本で、1on1の重要性、やり方についても随所で触れられています。

本書については先日書いたこちらの記事でも紹介しています。

katsuki.hatenablog.com

まとめ

マネージャーのみなさんはぜひ読んでみていただけると参考になると思います。